つよく生きているか

2019〜2020のくらむせかい,くらむの日記

7月28日日曜日

昨夜は寝つけない。

夢を見る。新しい犬がいる。子犬だが、ちゅうくらいの大きさをしている。横たわり、甘えている。わたしは撫でている。硬さと柔らかさの両方をかんじる。とても健康的な様子だとおもう。新しい犬は、はぴと変わらない。同じはずはないとおもう。しかしそっくりで、まるで、はぴがこのくらいの大きさの頃にそうあってもよかった姿で生きている。まるっとしていて、幸せそうにしている。

こうして入力していると、脳内を際限なく書き留めているように見える。その面もある。だが、立ち止まって考えたときに、ここには入力されないものがあることに気づく。絶対に言葉にされないもの。頭の中にはあっても、残せないもの。圧倒的なもの。それは避けられている。ここにはない。
昨日、親戚の人に、「見習いに来てみないか」と言われた。仕事の内容を聞いて、母が、「それならできるとおもう」と言った。
母が許容してくれたうれしさがあった。帰宅してから、立て続けに、「働かなければならない」ことについての話題があって、気持ちが怯える。切羽詰まっているのだ、わたしだけではない、母も。だから、これまでならば、横目で微笑んで、良しとも否とも言わなかっただろうこと、あとのことを考えると面倒になりかねない危険なこと、家族に恥ずかしいおもいをさせる可能性が高いことを、許容するしかなかったのかもしれない。
そう考えていると、もう逃げられないとおもう。

昨日繰り返し、8月7日に応募する(応募先は迷っていた)と決めていたから、とつぜんの話に対応できている、ということを考えた。なにも考えていないときであったならば、とてもこれくらいの動揺ではすまなかっただろう。もし働くことになったとしても、がむしゃらに働いて、毎日が歯医者の歯石取り時間並みに、おぞましすぎて、飛んだものになったかもしれない。いまも、動揺はもちろんしているが、冷静な自分もともにいて、「落ち着け、落ち着け、走らなくていい、休んでもいいんだ、完璧にしなくていい」と言っている。血なまこになって走り回ろうとしている自分と、冷静な自分が、心の奥と体の中で、拮抗している。互いに殺しあわずに、耳を傾けようとしている。走りながら、止まりながら。
簡単な話ではない。だからうまく考えられない。

母が、「やってみる?」と訊く。選択肢にないものは話題にならない。母が言葉にするということは、これは現実に存在することだ。
「雑用だから、できるとおもうよ」と言う。わたしはうなずいたり、する。「どうせどこかに勤めなければならないのだから、とりあえず行ってみたらいいんじゃない?」わたしはうなずいたり、する。

夜眠ることを覚えたい。昨夜もなかなかがんばったのだ。深呼吸をしてしてしたし、それでも眠れないから、こんどはマインドフルネス的なことをやった。足の先から、徐々に胴体、手、肩、頭へと、順番に意識していくものだ。なんどもやったが、どうしても、ふくらはぎまでしかできない。爪先、足指の裏、土踏まず…足のこう、踵…足首……足の…足のふくら…ふくらは…気づくと、気づくことをやめていて、また足の指からはじめた。なんども繰り返すたびに、いつのまにか途中で途切れてしまう。自分でもおかしくなった。集中できなさすぎだ! それでも、そう気づけたことで、すこしほっとした。
やがていちど眠り、目を覚まし、もういちど眠る。こんどは早めの朝だったから、起きました。
なんとか眠ることを覚えたいね。

余談だが、「眠くなるまで布団に入らない」方法はわたしには合わない。それでは朝まで覚醒したままになる。自然に落ち着くことはない。だから、身体を横たえて、眠ろうとして、精神をリードする。昨夜のようにうまくいかなくても、だからといって、起きてすごせば朝だ。
眠れなくても、暗闇の中にいる。横になって、深呼吸をする。そのまま朝がきても、かまわないじゃないか。
時間をもったいながっては、死んでしまう。

はぴ49の日。

みんな怖いのだとおもう。当事者のわたしですら怖いのだから。言葉ひとつ、行動ひとつ、まなざしひとつで、わたしたちは破壊されてしまう。わたしはあの日以来、「モンスター」になった。ほんとうの名前は、なくなってはいないけれど、削られて、小さくなった。
みんなモンスターは好きじゃない。モンスターは怖い。奪われたいひとはいない。いない。

動き出した。準備をしよう。そこに行かないことになったとしても、ほかの場所へ行かなければならないのだから。イムリミットだ。

気が楽なこともある。ひとつは、「自分で選ばなくていい」ことだ。行くだけでいい。もうひとつは、周りのひとが後押しをしてくれること。最後通告のプレッシャーを引いても、ありあまるのではないか。ひとまずこの行動は、正しいものとして認識されるのだから。後悔はしなくてもいい。
しっかりしようね。

図書館の本は読めなくなるかもしれない。午前中は読めなかった。手で触れたとたんに離した。だめだとおもった。怖い。

わかるよ、いっぱいいっぱいなのは。けれど、夢中にならないほうがいい。すこしでもいいから、べつのことを捉えてほしい。

はぴ、はぴ、はぴ。

明日わたしの人生が変わる。動く。動くことになる。
怖いとおもう。なにか、大きすぎて、手に負えない。

今夜は眠っていいよ。とにかく眠っていい。今日がんばることはがんばったから。テキストを1冊購入した。ほかのものも立ち読みしてみた。ほかの本は大きすぎた。わたしはなにをするのだろう、こんなに大きなこと…。
今夜は眠っていい。いいよ。いいから。
明日またがんばる。

泣きそうになる。はぴに会いたい。はぴは生きたね。わたしはどうだろう。生きていないのかなあ。
1日なさざるは…なすって、お金を稼ぐってこと、父にとっては。

最近毎晩のように、父と母が夕食後に出掛ける。父が母を奪っていくみたいにかんじる。母が、「お風呂は沸いているよ」と言って、急いた父を追いかけた。お風呂って、まだ夕食後30分も経っていないよ。散歩にだっていっていない。それなのに、父が母を連れて行き、わたしはいますぐ入浴を済ませて、存在を終らせなければならない。

涙が出る。悲しいからだろうか。不安だからだろうか。叫んでいるつもりだろうか。

散歩も行けない。

時刻表も見れない。

勝手に動いた罰として、わたしは投げ捨てられていく。

人間の意識が怖い。パーセンテージで動くものが怖い。

明日は…

泣いてしまう。

心細い。

だって、なにができる。

はぴがいない。

はぴがいない。

夢を見ている。



両親はわたしを望んでいない。

感謝することを覚えてほしい。そうでなければ、わたしはわたしの手に負えない。
シャワーで済ませて、やがて両親が帰宅した。お風呂は父がすぐに入れる状態にある。それでよかったではないか。

わたしは求めてはならない。
ことなる…

強迫行為をやめると、虚脱状態になる。それでいいではないか。